フリーランスエージェントは使わないべき?使うべき?メリットデメリットについて解説してみた

最終更新日:
  • フリーランスエージェントを使わずに仕事を獲得する具体的な方法を知りたい
  • フリーランスエージェントを使わないことのメリットやデメリットを理解したい
  • フリーランスエージェントを使わない場合の契約の取り方を学びたい

結論からお伝えすると、フリーランスエージェントを使わない働き方には向き不向きがはっきりあります。 エージェントに頼らず案件を得るには営業力や自己管理能力が不可欠で、準備不足だと収入の不安定さや契約トラブルに直結しやすいです。とはいえ、対策を講じられれば中間マージンを抑えて手取りを最大化でき、働き方の自由度も高められます。したがって事前の判断と入念な準備が重要です。

この記事では、フリーランスエージェントを使わない働き方の仕組みや正社員など他の働き方との違い、実際に起こりやすいデメリットやトラブル事例、逆に得られるメリット、そしてエージェントに頼らずに案件を獲得する具体的な方法までわかりやすく解説します。

この記事を読んでわかること
・エージェントを使わずに働くフリーランスのメリット・デメリット
・フリーランスエージェントを使わないで案件を獲得する具体的な方法
・エージェント無しの働き方が向いている人/向かない人の特徴と判断ポイント
・エージェント非利用時に注意すべきリスクと対策(契約・報酬・営業面など)
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目次

フリーランスエージェントを使わない働き方とは?基本の考え方

フリーランスエージェントとは?仕組みと役割

フリーランスエージェントとは、仕事を探すフリーランスと案件を発注したい企業を仲介するサービスです。具体的には、専任の担当者(エージェント)がフリーランスと企業の間に立ち、希望やスキルに合った仕事を紹介してくれます。エージェントは案件の提案から単価交渉、契約手続き、報酬の支払い管理に至るまでサポートを行い、フリーランスが本業に集中できるよう手助けしてくれます。

この仕組みにより、未経験のフリーランスでも営業を代行してもらえるメリットがあります。エージェントは業界の求人情報に精通し、高単価の案件や非公開案件を保有していることも多いため、自分では辿り着けない大手企業のプロジェクトなどを紹介してもらえるケースもあります。また、契約や事務手続きの代行、キャリア相談なども受けられるため、フリーランスが一人で仕事を進める上で心強いパートナーとなります。

ただし、このような手厚いサポートの代わりに、フリーランスエージェントは仲介手数料(中間マージン)によって収益を得ています。企業が支払う報酬額の一部をエージェントが差し引き、残りがフリーランスに支払われるというモデルです。そのため、エージェント経由の案件では報酬額から一定割合が控除される点は留意が必要です。一般的に仲介マージン率は約10%〜25%程度と言われており 、この分フリーランスの手取り額は減少します。

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フリーランスエージェントを使う場合の働き方

フリーランスエージェントを利用する場合、営業活動や契約事務の多くをエージェント側に任せて働く形になります。まず複数のエージェントサービスに登録し、自分のスキルシートや経歴を提出すると、専任のコンサルタントとの面談があります。相談の中で希望条件や可能な稼働日数などを伝えると、後日条件にマッチした案件の紹介を受けます。

案件に応募して企業との面談(商談)に進んだ後、条件が合意すればエージェント経由で契約締結となります。この際、契約はエージェント会社との業務委託契約となる場合と、クライアント企業との直接契約となる場合がありますが、いずれにせよエージェントが仲介に入ります。案件が開始した後も、エージェントの担当者が定期的にフォローアップし、稼働状況のヒアリングやトラブル時の相談対応などを行ってくれます。

エージェント経由で働く特徴として、比較的長期かつ高稼働(週5日など)の案件が多い点が挙げられます。特にITフリーランス向けエージェントでは、1件あたり数ヶ月〜半年以上の常駐系プロジェクトを紹介されるケースが多く、収入も月額〇〇万円といった固定型が中心です。また、エージェントによっては報酬保証制度(案件が空白期間に入った際に一定の報酬を補填する仕組み)や、確定申告サポート、福利厚生サービスを提供しているところもあります。こうした手厚いサポートを受けられる反面、働き方や案件選びにおいてエージェントの紹介範囲内に限られるため、自分で自由に案件を選ぶのとは少し違った制約もあります。

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フリーランスエージェントを使わない働き方の特徴

一方で、フリーランスエージェントをあえて使わずに直接クライアントと契約する働き方もあります。エージェントを使わない場合、案件探しから営業、契約締結、納品、請求まですべて自分で行う必要があるため、主体的に動く姿勢が求められます。この働き方の最大の特徴は、中間業者を挟まないことで自由度が高い点です。

エージェント非利用では、自分の好きなタイミングで案件を選べるため、例えば短期案件や週1〜2日のスポット案件、あるいは複数の小さな案件を並行するといった柔軟な働き方が可能です。また中間マージンが発生しないため、クライアントから支払われる金額がそのまま自分の売上になります。適切な価格交渉さえできれば、エージェント経由よりも高い報酬単価を得やすくなるでしょう。

ただし、その分責任とリスクもすべて自分で負うことになります。契約トラブルが起きた場合もエージェントのような仲介者はおらず、直接自分で対処しなければなりません。また、自力で案件を継続的に獲得し続ける営業力が必要で、案件が途切れれば収入はゼロになります。このように、フリーランスエージェントを使わない働き方は自由と引き換えに自己責任が大きいのが特徴です。自分のスキルや人脈を活かして独自路線で活動したい人には向いていますが、営業や交渉が苦手な人にはハードルが高く感じられるでしょう。

フリーランスエージェントを使わないメリット

中間マージンがかからず報酬を最大化できる

フリーランスエージェントを使わない最大のメリットは、仲介手数料(中間マージン)が差し引かれないため報酬を全額受け取れることです。エージェント経由ではクライアントからの支払額の一部が手数料として引かれますが、直接契約ならクライアント支払い額=自分の受け取り額です。

例えば企業が月100万円の予算を出せる案件でも、エージェントを通すと手取りは80万円程度になることがあります。しかし直接契約であれば満額の100万円を受け取れるわけです。

この差はフリーランスにとって非常に大きく、年間で見れば数十万円〜数百万円もの収入差になることもあります。特に単価の高いプロジェクトほど、中間マージンで引かれる額も大きくなるため、エージェント非利用は収益最大化に直結します。また、エージェントによっては契約更新ごとにマージン率が変動したり、報酬交渉の結果がフリーランスに十分伝わらないケースもあると言われます。自ら交渉する直接取引であれば、自分の価値に見合った価格をダイレクトに交渉・設定できるため、納得感を持って働ける点もメリットです。

さらに、マージンがかからないことで価格競争力が高まるという利点もあります。クライアントに提示する金額から手数料分を差し引く必要がないため、同じ手取り額でもエージェント経由より安い見積もりを出せる場合があります。つまり、「エージェントを挟まないので他より◯%安く提供できます」といったアピールも可能で、クライアントにとってもコストメリットになることから案件獲得の強みにもなり得るでしょう。

クライアントと直接取引できる

フリーランスエージェントを使わないことで、クライアント(発注企業)と直接に取引関係を築ける点も大きなメリットです。エージェント経由の場合、契約上はエージェントとのやり取りが主で、クライアントとは必要最低限の調整しか行わないケースもあります。これに対して直接契約なら、最初の打ち合わせから契約条件の交渉、納品、フィードバックまで、すべて自分とクライアントの間で直接やり取りします。

直接取引の利点は、コミュニケーションがスムーズで意思疎通がしやすいことです。エンドクライアントの要望やプロジェクトの目的をダイレクトに聞けるため、認識のズレが生じにくくなります。また、自分の考えや提案も直接伝えられるので、信頼関係を深めやすいでしょう。エージェントを介するとワンクッション挟む形になり、どうしてもタイムラグや情報伝達の細かなロスが起きがちですが、直接ならその心配は軽減されます。

さらに、直接取引で築いた信頼は次の仕事につながるチャンスにもなります。一度直接契約したクライアントから「別のプロジェクトもお願いしたい」「知り合いの会社を紹介したい」と継続的な依頼や紹介を受けることも多く、長期的な人脈づくりに結びつきます。これにより、エージェントに頼らずともリピート案件や新規紹介案件で安定して仕事を得られるようになる可能性があります。クライアントと密接に関わり、自分のファンや固定顧客を増やしていけるのは、直接取引ならではの魅力です。

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働き方や案件選びの自由度が高い

エージェントを介さない働き方は、自分の裁量で働き方や案件内容を決めやすいのもメリットです。エージェント経由では、基本的に紹介された案件リストの中から選ぶことになり、案件種類や条件もそのサービスの得意分野に左右されます。また、常駐フルタイム案件が中心のエージェントだと、副業的に少しだけ働きたい希望には合わない場合もあります。それに対し、エージェントを使わなければ自ら条件に合う案件を探せるため、働き方の幅がぐっと広がります。

たとえば、週3日勤務の案件リモートワークOKのプロジェクト、あるいは短期スポットの仕事など、自分の生活スタイルに合わせて柔軟に案件を組み合わせることが可能です。極端に言えば「午前中だけ別のクライアント作業、午後は別案件」というような働き方も、自分で直接契約を複数結べば実現できます。また、仕事の種類もエージェントが持っていないようなニッチな案件地方の案件などにもアプローチできるため、自分の興味や専門性にマッチする仕事を選び取りやすくなります。

さらに、仕事の断りやすさや調整の自由も手に入ります。エージェント経由だと提案された案件を断る際に若干の気まずさがあったり、継続案件を辞めたいときもエージェントを通して調整が必要です。しかし直接契約であれば自分の判断で案件を開始・終了できますし、スケジュールや作業量の調整もクライアントと直接交渉できます。勤務時間や休暇の融通も取りやすく、マルチな働き方やワークライフバランスの調整がしやすいでしょう。このように、自分の理想とする働き方を追求できるのは、エージェントに縛られない自由なフリーランスならではです。

自分のブランドを構築できる

フリーランスエージェントを使わずに活動することで、自分自身のブランド価値を高めやすい点もメリットです。エージェント経由の場合、企業から見ると「〇〇社のフリーランス」という認識になりがちで、エージェントの看板のもと案件に参画します。一方、直接契約なら常にあなた個人の名前や屋号で仕事をすることになるため、市場で自分の実績を直接アピールできます。

例えば、自分のポートフォリオサイトやブログ、SNSで仕事の成果や専門知識を発信し、それを見たクライアントから直接問い合わせをもらう、といった具合に個人の発信力を案件獲得につなげることも可能です。エージェントを介していると案件実績を公表しづらい場合もありますが、直接契約なら守秘義務の範囲を調整しつつ自分の実績として広く公開・宣伝しやすくなります。結果として、「◯◯の分野ならこのフリーランスにお願いしよう」と認知され、あなた自身のブランドで仕事が回ってくる好循環が生まれます。

また、クライアントとの直接ネットワークが広がることで、業界内での評価や信用もダイレクトに蓄積されていきます。良い仕事をすれば担当者が個人的に評価してくれて、LinkedInやTwitterなどであなたを紹介してくれることもあるでしょう。これがさらに波及して別のクライアントから声がかかる――というように、信用の連鎖を生みやすいのです。言い換えれば、フリーランスとして “自分株式会社” を経営する感覚で、自社(自分)のブランディングと営業を戦略的に行えるのがエージェント非利用の魅力です。

フリーランスエージェントを使わないデメリット

営業・契約・交渉をすべて自分で行う必要がある

エージェントを使わないデメリットの一つ目は、営業活動や契約手続き、単価交渉まで含めて全て自分で対応しなければならないことです。エージェントを利用すれば、案件紹介や企業との日程調整、契約書の取り交わしなど煩雑なことは代行してもらえます。しかし非利用の場合、新規案件を探すリサーチから企業へのアプローチ、提案資料の作成、面談調整、契約内容の擦り合わせ、さらにはトラブル時の対処まで、ワンストップで自分が担います。

特に営業が苦手な人にとって、これは大きなハードルです。クライアントにアプローチして信頼を得るまでには時間と労力がかかり、断られるリスクや精神的負担も伴います。エージェント経由なら自分が営業しなくても次々案件を紹介してもらえますが、自力だと「次の案件が見つからない…」と不安に陥ることも珍しくありません。また、契約交渉の場面でも、報酬額や納期、範囲の折衝を直接行うため、交渉スキルやビジネス知識が必要です。これを誤ると安値で引き受けてしまったり、不利な契約条件を飲んでしまったりする恐れもあります。

加えて、事務的な手続きや帳簿管理の手間もすべて自分にのしかかります。契約書類の準備・捺印・郵送、請求書の発行と送付、支払期限の管理、必要に応じて督促…といったバックオフィス業務もこなさなければなりません。エージェントならテンプレートを用意してくれたり煩雑な作業を省いてくれますが、それらを自分で行うのは時間のロスにもなります。営業や事務に取られる時間は基本的に無給であるため、本業の作業時間を圧迫する点もデメリットと言えるでしょう。

収入が不安定になりやすい

フリーランスエージェントを使わないと、収入の起伏が大きく不安定になりやすいというデメリットがあります。エージェント経由であればマッチングのプロが常に新しい案件を紹介してくれるため、今の案件が終わりそうな時期に次の案件を提案されるなど途切れにくい仕組みがあります。また、先述のように案件ブランク期間に一部報酬を補償してくれるサービスを提供しているエージェントもあります。ところが、自力で案件を取っている場合、そうしたセーフティネットが基本的にありません。

案件と案件の間に空白期間が発生すると、その間の収入はゼロになってしまいます。特にフリーランスを始めたばかりの頃は営業に慣れておらず案件が途切れがちで、貯金を切り崩して生活費を賄うケースも多いです。ある調査によると、フリーランス全体の約4割が何らかの収入面のトラブルや困難を経験しているとのデータもあります 。売上が月によって極端に上下するのは、エージェント非利用フリーランスにとって避けがたいリスクです。

さらに、病気や怪我で働けない時のリスクも大きくなります。仕事を自分で管理していると、有給休暇や傷病手当といった仕組みはありません。エージェント経由の場合、担当者が代替のリソースを紹介してくれたり企業と調整してくれることもありますが、直接契約だと契約通り働けなければそのまま収入ストップです。とくに長期案件を一人で抱えている場合、自分が倒れる=プロジェクトが止まることにもなり、信頼関係にも影響します。このように安定した収入を継続する難易度が上がることは、フリーランスエージェント非利用の大きな懸念材料です。

高単価案件への営業を個人で行うのは難しい

個人で営業する場合、大企業の高単価案件や大規模プロジェクトに個人で入り込むのは難易度が高いという現実もあります。多くの大手企業や官公庁の案件は、信頼できる仲介会社(エージェントや派遣会社、システム integrator など)を通して発注されることが一般的です。これは発注側にとって、取引相手の信用リスクや契約上の煩雑さを軽減する狙いがあるためで、無名の個人と直接契約したがらない傾向があります。

結果として、個人で営業すると、高単価で安定した大規模案件の情報にアクセスしづらい状況が生まれます。フリーランスエージェント各社が公開している案件も、実はエンドクライアント(発注元)は大手企業というケースが少なくありません。そうした案件は、エージェントのコーディネーターが企業とのパイプを築いているからこそ獲得できているものであり、個人で飛び込み営業しても門前払いになってしまう可能性が高いです。特に経験の浅いうちは、実績不足から信頼を得にくく、高報酬の案件ほど参画ハードルが上がるでしょう。

また、提案書や見積書の作り込みなども高単価案件ほどシビアに見られます。エージェントであれば応募時に職務経歴書を送る程度で済むことも、直接営業だと正式な提案書を提出しプレゼンを行う必要が出てきます。大規模案件ではコンペ形式で複数社(者)から提案を募ることも多く、営業・プレゼンの専門スキルが要求されます。こうした点から、個人だけで高単価案件を安定して取り続けるのは簡単ではないのが実情です。そのため、ある程度実績を積むまではエージェントも併用し、高単価案件はエージェント経由、小回りの利く案件は直接、と使い分けるフリーランスもいます。

契約トラブルや支払い遅延のリスクがある

エージェントを挟まない場合、契約上のトラブルや報酬の未払い・支払い遅延リスクを自分で引き受けることになります。フリーランスと企業の直接契約では、契約内容の不備や双方の認識違いから様々なトラブルが発生しがちです。例えば、口頭やメールだけで契約を結んでしまい、後から「聞いていない作業を要求された」「報酬額を減らされた」といったケースは少なくありません。実際、厚生労働省が開設した「フリーランス・トラブル110番」に寄せられた相談でも、報酬の支払いトラブルと契約内容をめぐるトラブルが全体の半数以上を占めています 。

エージェント利用時であれば、契約書の取り交わしや条件確認はエージェントがチェックしてくれますし、仮に先方が支払い遅延を起こしてもエージェントが立て替えてくれることもあります。しかし直接契約では、契約書を作成するのも条件を守らせるのも自己責任です。万が一クライアントが悪質で報酬未払いのまま逃げてしまった場合、個人で法的手続きを検討しなければならず、時間・費用面の負担が大きくなります。また、契約関係が曖昧だと泣き寝入りせざるを得ない場合もあり、最悪の場合働いたのに一銭ももらえないということも起こりえます。

さらに、著作権や秘密保持、成果物の瑕疵担保など専門的な契約条項についても、自分で理解して交渉する必要があります。これを怠ってクライアント有利な契約書にサインしてしまうと、後で不利な要求をのまざるを得なくなったり、紛争時に圧倒的に不利になったりします。要するに、法務的な知識やリスク管理の意識が求められるということです。エージェントなら標準的な契約で守ってくれる部分が、直接契約だと一切保証されません。「自己責任」の重みを痛感する場面が増えるのは、大きなデメリットと言えるでしょう。

案件探しに時間がかかる

エージェント非利用のもう一つのデメリットは、案件を探すのにかなりの時間と手間がかかることです。エージェントを使えば、自分に合った案件を日々プロが収集して提案してくれますが、使わない場合は自ら情報収集のアンテナを広げておく必要があります。具体的には、求人サイトやクラウドソーシング、SNSの案件募集投稿などを定期的にチェックしたり、知人に「仕事募集中」であることを周知したりといった活動が欠かせません。

しかし、それでも希望に合う案件がすぐに見つかるとは限らないのが現状です。特に専門性が高かったり条件が細かい案件ほど、タイミングよく出会うのは難しくなります。希望にマッチしない案件に無駄に応募して時間を費やしたり、断りの返信に消耗したりすることもあるでしょう。また、複数の案件を同時進行で探す場合、各クライアントとのやり取りや進捗管理も煩雑になり、かなりの労力を取られます。

案件探しに時間を取られるということは、その間収入に直結する作業ができないということでもあります。フリーランスにとって時間はお金ですから、営業にかける時間が増えるのは機会損失です。エージェントなら「営業代行料」としてマージンを払っているようなものですが、それを節約する代わりに自分の労働時間をコストとして払っているとも言えます。したがって、「案件を自力で探す時間がもったいない」と感じる人にとっては、エージェントを使わない働き方は非効率に思えるでしょう。実際、営業活動と本業のバランス配分に悩み、最終的にエージェント利用に戻るフリーランスもいます。

フリーランス案件サイトとは、複数のエージェントや求人サイトから求人データを集計しているサイトをさします。

複数のエージェントや求人サイトに一つ一つ登録せずとも、一つ登録しておけば、複数の求人に応募できたり、自分にあったスキルの仕事を見つけやすいです。

  • スキル:Java / SAP / Webデザイン
  • 職種: Webデザイナー / Webエンジニア / ITコンサルタント
  • 業界: 金融業界 / 介護業界

など、多様な案件を自分にあった形でフィルタリングできるため、マッチした求人を見つけやすいのが特徴です。

フリーランス案件サイトには、インディバースフリーランスなどのサービスがあるため、ぜひ活用してみると良いでしょう。

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フリーランスエージェントを使わないで仕事を獲得する方法

既存の人脈・知人から紹介を受ける

エージェントを使わずに案件を得るために最も確実で手早い方法が、既存の人脈を活用して仕事を紹介してもらうことです。前職の同僚や上司、取引先、友人などにフリーランスとして独立したことを知らせ、「現在◯◯の案件を探しています」と具体的に伝えてみましょう。信頼できる知人経由であれば、クライアントの人柄や仕事の内容もあらかじめ分かる場合が多く、ミスマッチやトラブルも起きにくいです。実際に、フリーランスが最初の案件を獲得するケースでは知人の紹介が大きな割合を占めています。

紹介のメリットは、お互いに信用がある状態から仕事を始められることです。知人の顔を立てようとクライアントも誠実に対応してくれる可能性が高く、報酬未払いなどのリスクも低めだと言えます。また、経験が浅いフリーランスにとっては実績づくりの場にもなります。最初は小さな仕事でも、知人のサポートを受けながら納品まで完了すれば、それが一つのポートフォリオや成功事例となります。そこからまた別の人を紹介してもらえることもあり、良い循環を生みやすいのです。

紹介を得るためには、日頃から人脈に対して情報発信をしておくことが大切です。独立の挨拶メールを送ったり、交流会やOB訪問で顔を出したり、SNSで「現在案件募集中です」と発信したりと、周囲に自分の状況を知ってもらう工夫をしましょう。「そういえば◯◯さんが独立したって言ってたな。ちょうどいい案件があるから声をかけてみよう」というふうに、人脈の中であなたを思い出してもらえるようになるとベストです。人とのつながりは最大の営業ツールですので、積極的に活用してみてください。

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企業への直接営業(ダイレクトアプローチ)

知り合い頼みだけでなく、自分からクライアント企業に直接営業をかけることも有効な案件獲得手段です。具体的には、自分のスキルやサービスを必要としそうな企業をリストアップし、直接メールや電話でアプローチする方法になります。例えばWeb開発が得意なら、新サービスを立ち上げていそうなベンチャー企業に「御社の〇〇開発でお役に立てるかもしれません」と提案メールを送る、といった具合です。これを「直営業」とも呼びます。

直接営業のコツは、送り先の企業の課題やニーズを想定し、それを解決できる提案を簡潔に伝えることです。いわゆる営業メールになりますが、単なる自己PRではなく「◯◯の分野で御社のお役に立てるフリーランスです。過去に△△の実績があり、□□の課題解決に貢献できると考えています」といった相手視点の提案を意識しましょう。また、アプローチ先は自分の得意分野とマッチする企業を選ぶことが大事です。関連業界のニュースや求人情報をチェックし、「今まさに〇〇に力を入れている会社」を探すと、提案が刺さりやすくなります。

もちろん、飛び込み営業は成功率が低めで、反応がないことも多いです。しかし、少数でも当たれば大きなチャンスに繋がります。特に中小規模の企業やスタートアップであれば、良い人材を常に探しているため、フリーランスの売り込みに興味を持ってくれることがあります。また、直接営業を行う過程で自分の売り込み資料(ポートフォリオやサービス紹介文)を磨くことにもなり、営業力の強化に役立ちます。すぐに案件に繋がらなくても、「◯◯というフリーランスから連絡が来た」という記憶が残り、後日連絡が来る可能性もあるでしょう。粘り強くターゲット企業にアプローチする行動力が、エージェントなしで道を開くカギとなります。

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SNS・ブログ・YouTubeで情報発信し集客する

現代のフリーランスにとって、SNSやブログ、YouTubeといった個人発信メディアの活用も案件獲得の重要なチャネルです。Twitter(X)LinkedInFacebookなどのSNSで自分の専門分野に関する情報を発信しておけば、あなたのスキルに興味を持った企業から声がかかる可能性があります。また、技術ブログやノウハウ記事を自分のサイトやnoteに掲載しておけば、検索経由でその記事を読んだ人が相談してくることもあります。YouTubeで解説動画を上げているエンジニアやデザイナーもおり、それを見た企業からオファーが来るケースもあります。

ポイントは、自身の専門性をアピールできる発信を心がけることです。例えばプログラマーなら「〇〇言語での開発Tips」や「過去の制作事例紹介」、マーケターなら「広告運用で成果を出すコツ」など、読む人に役立つ情報を発信します。そうすることでフォロワーや読者から信頼を獲得でき、いざ「案件募集中」と一言発信した時に「この人にお願いしてみよう」と名乗り出てくれる可能性が高まります。実際に、SNS経由でフリーランスの仕事を発注した経験がある企業担当者も増えており、SNSは現代の名刺代わりとも言える存在です。

SNS発信で案件を得るメリットは、仲介者がいない完全な直接契約になるため報酬も全額受け取れることと、自分のペースで集客ができることです。コツコツ情報発信を続けていれば、その投稿を見て企業からダイレクトメッセージが届く…ということが現実に起こります。ただし、SNSには誰でもアクセスできるため、自称クライアントから声をかけられて実は怪しい勧誘だったということもありえます。信頼できそうな企業かどうか、Webサイトや実績などをしっかり確認した上でやり取りを進めるよう注意が必要です。また、SNS上で合意した内容も必ず契約書で正式に取り交わすことを忘れないようにしましょう。

クラウドソーシングやマッチングサイトを活用する

クラウドソーシングサイトやフリーランスマッチングサービスも、エージェントを使わず案件を探す有力な手段です。代表的なクラウドソーシングには「クラウドワークス」や「ランサーズ」などがあり、Web上で企業とフリーランスをマッチングしてくれるプラットフォームです。これらのサイトに登録しプロフィールやスキルを公開しておくと、不特定多数の企業から公開案件に応募できたり、逆に企業側からオファーが届いたりします。

クラウドソーシングの利点は、初心者でも使いやすく案件数が豊富なことです。短期間のタスク的な仕事から長期のプロジェクトまで様々な案件が日々掲載されているため、空き時間に合わせて複数応募することも可能です。サイトを介して契約・支払いが行われるため、報酬の未払いリスクも低減されています。実績を積めばサイト上の評価が上がり、より高単価なプロジェクトに参画しやすくなるのもメリットです。

また、フリーランスマッチングサイトと呼ばれるサービスもあります。例えばITエンジニア向けのマッチングプラットフォームや、コンサルタント専門のマッチングサービスなど、業界・職種特化型のサイトが存在します。これらはエージェントに近い運営形態ですが、中間マージンが発生しない案件掲載型のサービスもあります(企業と直接契約する形をとる)。自分の分野に適したマッチングサイトに登録しておけば、スカウト機能などで高条件の案件情報を受け取ることもできるでしょう。

クラウドソーシングやマッチングサイトを活用する際は、プロフィールやポートフォリオを充実させておくことが成功のポイントです。過去の成果物やスキルセットを詳しく書き、評価コメントがもらえたら丁寧に返信するなど、サイト内での信頼度を高める工夫をしましょう。それにより、企業側の検索結果で上位に表示されたり、オファーをもらえる確率が上がります。こうしたプラットフォームを上手に使いこなすことで、自力でも多くの案件に出会える機会を広げることができます。

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未入力です

自分のポートフォリオサイトを作成する

自分専用のポートフォリオサイトやホームページを作成しておくことも、直接案件獲得には欠かせない施策です。ポートフォリオサイトには、これまでに手がけたプロジェクトの概要や実績、スキル一覧、自己紹介、連絡先などをまとめて掲載します。いわば自分というサービスのカタログサイトであり、興味を持ったクライアントが詳細を確認できる受け皿となります。

ポートフォリオサイトを持つ最大のメリットは、あなたの実力や人柄を24時間オンラインでアピールできる点です。たとえば誰かがあなたの名前を検索した際に、このサイトが見つかれば、信頼度が大きく向上します。サイト上に過去の制作物の画像やリンク、成果データなどを整理しておけば、営業メールを送る際にも「詳しくは当方サイトをご覧ください」と案内するだけで済み、詳細な説明を省略できる利点もあります。また、自分のドメインで運営しておけば、ブログ機能で定期的に情報発信することもでき、それ自体が集客につながることもあります。

サイト作成は手間に感じるかもしれませんが、最近は無料・低コストでおしゃれなサイトを作れるツールも増えています。プログラミングが得意なら自作も良いですし、手軽に作りたいならWixやSTUDIO、WordPress等のサービスを利用するとよいでしょう。重要なのは、見やすく信頼感のあるデザイン自身の強みがひと目で伝わるコンテンツを意識することです。誰が見ても分かるよう本名または屋号、連絡先を明記し、実績には可能な範囲で具体的な数字や成果物を載せます。第三者からの推薦文や過去クライアントの声などがあるとなお信頼性が増します。

このようなポートフォリオサイトは、あなた自身の営業マンのような役割を果たしてくれます。サイト経由で直接問い合わせフォームから依頼が来るケースもあるので、見逃さないようメール通知の設定をしておきましょう。自分の顔となるサイトをしっかり作り込むことで、エージェントに頼らずとも案件を呼び込める土台が整うのです。

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フリーランスエージェントを使わないで成功するためのポイント

営業力・交渉力を鍛える

エージェントなしで継続的に案件を取っていくには、何と言っても自分自身の営業力・交渉力を高めることが重要です。フリーランスにとっての営業力とは、自分の強みを理解し、それを的確にクライアントに伝えて仕事につなげる力です。ただ闇雲に「仕事ください」と売り込むのではなく、相手の課題やニーズを捉えて「自分が提供できる価値」を提案型で示すことが求められます。そのためには、自分のスキルセットを棚卸ししてどんな課題を解決できるのか明確に言語化できるようになりましょう。

交渉力も不可欠です。報酬金額や納期調整、契約条項の擦り合わせなど、クライアントとの交渉場面に臨む機会はフリーランスには多々あります。ここで萎縮してしまい相手の言いなりになるのではなく、自分の主張を冷静かつ論理的に伝えるスキルを身につける必要があります。例えば、報酬交渉では市場相場や自分の実績を根拠に適正価格を提示する、納期の話では他の案件状況を踏まえて無理のないスケジュールを提案するといった具合です。これらは経験を重ねることで徐々に上達していきます。

営業・交渉力を鍛える方法としては、ビジネス書籍でセールストークや価格交渉の手法を学ぶことや、営業経験者にアドバイスをもらうことなどが挙げられます。また、自分一人で練習するより、実践の場にどんどん飛び込んで試行錯誤するのが何よりの成長につながります。最初はうまくいかなくても、断られた理由を分析して次に活かすことで、徐々にクライアントの心をつかむコツが掴めてきます。エージェントという営業代行を外したぶん、自らを営業マンとして鍛え直す意識を持つことが、成功への第一歩です。

独立する前に信頼できるネットワークを構築する

フリーランスエージェントに頼らず仕事を回していくには、独立する段階から意識的に信頼できるネットワークを作っておくことも大切です。先に述べたように、人脈からの紹介案件は非常に有力な仕事源ですから、会社員のうちから業界内の繋がりを意識して築いておくと独立後が格段に楽になります。

具体的には、前職や取引先で信頼関係を構築することはもちろん、業界の勉強会や交流会、コミュニティに参加して横の繋がりを増やしておくと良いでしょう。同業のフリーランスたちとの情報交換も有益です。案件を複数抱えきれない時に融通し合ったり、逆に仕事が足りない時に声をかけてもらえたりと、フリーランス同士のネットワークも軽視できません。「持ちつ持たれつ」で支え合える仲間がいることは、精神的な支えにもなります。

また、独立前に副業として小さな案件を経験しておくのもおすすめです。在職中の空き時間でクラウドソーシングに挑戦したり、小規模なプロジェクトを請け負ってみたりすると、フリーランスの仕事感覚が掴めます。その際にクライアントと直接やり取りをすることで、自分のコミュニケーションや仕事の進め方を磨くことができるでしょう。もし可能なら、副業先のクライアントと独立後も継続契約を結べれば、最初から安定収入を確保できる理想的な形となります。

つまり、準備期間中にどれだけ布石を打てるかが勝負です。何の当てもなく勢いで独立してしまうと、仕事探しに奔走して消耗しがちです。そうではなく、「この人になら仕事を頼みたい」と思われる関係性を事前にいくつも築いておくことで、エージェントなしでもスムーズにフリーランス生活をスタートできます。独立前からのネットワーキングと副業経験の積み重ねが、独立後の安心感と成功率を高めるカギとなるでしょう。

契約・税務・法務の知識を身につける

エージェント非利用で活動するフリーランスは、契約や税務、法務の基本知識をしっかり身につけておくことも成功のポイントです。エージェント経由であれば契約書の雛形や税処理についてある程度フォローがありますが、直接契約の場合はすべて自己責任で管理する必要があります。知らなかったでは済まされない場面も多いため、最低限の知識武装は必須です。

まず契約面では、業務委託契約書の重要な条項について理解しておきましょう。報酬額や支払条件、納期はもちろん、成果物の著作権の扱い秘密保持義務途中解約時の取り決めなどに目を通し、意味がわからない場合は調べたり専門家に聞いたりしてください。フリーランス協会や行政が出している契約書のひな型も参考になります。また、「口頭やメールだけで仕事を始めない」「合意事項は必ず書面化する」など、トラブルを防ぐ契約上の手順も習慣づけましょう。

税務に関しては、個人事業主としての税金や社会保険の知識が必要です。所得税の確定申告は毎年行うことになりますし、経費計上のルールや消費税の取り扱い(※2023年からのインボイス制度にも注意)なども把握する必要があります。さらに売上が大きくなれば法人化消費税課税事業者の選択なども検討課題になります。税理士に相談するのも良いですが、経理ソフトを使って日々の記帳を行い、税金の概算を把握しておく癖をつけましょう。納税資金をプールしておく管理能力もフリーランスには求められます。

法務面では、フリーランス新法(2023年成立)のようにフリーランスを取り巻く法制度にも目を配り、権利と義務を正しく理解しましょう。また、何かトラブルが起きた時に相談できる窓口(前述のフリーランス・トラブル110番や各地の弁護士会など)も事前に調べメモしておくと安心です。これらの知識を持っていることで、クライアントとの交渉でも自信を持って臨めるようになりますし、不利な条件を押し付けられそうになった際にも適切に対処できます。「知らなかった」で損をしないためにも、契約・税務・法務の自己研鑽は怠らないようにしましょう。

自分のスキルを可視化するポートフォリオを作る

先ほど案件獲得の方法でも触れましたが、自身のスキルや実績を可視化したポートフォリオを準備しておくことは、成功への大きな助けになります。エージェントがいない分、クライアントに自分を売り込む材料は自分で揃えなければなりません。説得力のあるポートフォリオは、百聞は一見に如かずで相手を納得させる強力なツールとなります。

ポートフォリオには、過去に手掛けた案件の成果物や、そのプロジェクトで果たした役割、達成した成果などを具体的に載せましょう。可能であれば、数値や客観的な評価を盛り込むと信憑性が増します(例:「サイトのCVRを15%改善」「◯◯賞を受賞」など)。また、作品だけでなく経歴や資格、得意分野も整理し、どういった仕事ができるのかひと目で伝わる構成にすることが大切です。

ITエンジニアならGitHubや技術ブログへのリンク、デザイナーならBehanceやInstagramで作品公開、ライターなら執筆記事一覧といったように、職種に応じて効果的なポートフォリオの見せ方は変わります。大事なのは、クライアントが見たときに「この人に任せれば自社の課題が解決しそうだ」と感じてもらえる内容になっているかです。そのため、単なる作品集に留まらず、各実績にひと言で良いので自分の貢献ポイントや成果を添えておくと伝わりやすくなります。

このポートフォリオは常に最新にアップデートし続けましょう。新しい案件が完了したら即追加し、古い情報は整理するなどして、自分の成長が反映された生きた資料にします。これを面談や提案時に提示することで、エージェント営業マンのトークに頼らずとも自らの実力を証明できます。自身に対する投資だと思って、見やすく魅力的なポートフォリオ作成に時間をかけておくと、長い目で見て何倍ものリターンをもたらすでしょう。

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継続的な情報発信で認知度を高める

フリーランスとしてエージェントなしで安定した仕事を得るためには、自分自身の知名度・認知度を上げていくことも重要です。「あの分野なら◯◯さんが有名だよね」「◯◯のことならこの人に聞けば間違いない」と思ってもらえれば、自然と仕事の依頼が舞い込むようになります。そのために有効なのが、継続的な情報発信です。

前述のSNSやブログを使った発信もその一環ですが、ポイントは「継続する」ことにあります。単発で記事を書いたりツイートしただけでは埋もれてしまいますが、定期的に役立つ情報や実績報告を発信し続けることで、徐々にフォロワーや読者が増え、あなたの専門家としてのプレゼンスが高まります。例えば毎週技術に関するTipsをツイートする、月一で活動報告のブログを書く、などと決めて習慣化すると良いでしょう。

また、登壇や執筆などのアウトプット機会を積極的に活用するのも効果的です。勉強会やカンファレンスで講演したり、業界メディアに寄稿したりすることで、その分野のプロフェッショナルとして名前が広まります。こうしたアウトプットは信用力の高い肩書きにもなり、クライアントから見て「この人は第一線で活躍しているんだ」という安心感を与えます。

継続発信は地道な取り組みですが、長期的には大きな武器になります。実際、情報発信をきっかけに大企業から直接オファーが来るフリーランスも珍しくありません。自分が描きたいキャリアや得たい案件に繋がるようなテーマで、日々の発信をコツコツ積み上げていきましょう。そうすることで、エージェントなしでも「あなたにぜひお願いしたい」というファン顧客が増えていき、安定した独立生活へと近づいていきます。

フリーランスエージェントを使わない方が向いている人の特徴

営業が得意で人脈がある

営業活動に前向きで幅広い人脈を持っている人は、フリーランスエージェントを使わない働き方に向いています。自分で新規クライアントを開拓したり、知り合いにどんどん声をかけて仕事を得たりできるタイプの人は、エージェントに頼らなくても十分やっていけるでしょう。具体的には、人と話すのが好きでプレゼンや折衝に苦手意識がない人、そして前職やコミュニティでの繋がりを活かせるネットワークを持っている人です。

こうした人は、むしろエージェントに中間マージンを払うくらいなら自力で営業してフルで報酬を得たいと考える傾向があります。また、ネットワーク経由で継続案件や紹介が見込めるのであれば、エージェントから知らない企業を紹介してもらうより馴染みの繋がりから仕事を得る方が安心という心理も働くでしょう。自分の信用を武器に仕事を動かせる人は、エージェントを通すメリットが相対的に小さくなるわけです。

たとえば元々営業職やプロデューサー職で活躍していたフリーランスなどは、人脈も広く交渉スキルもあるため、自分自身を営業マン兼エンジニア(デザイナー等)として立ち回れるケースが多いです。クライアント先に直接出向いてヒアリングしたり、その場で次の仕事に繋げてきたりと、一人で案件を回せる自走力があります。そういうタイプの人にとっては、エージェントの紹介案件は物足りなく感じるかもしれません。自分の営業力に自信があり、人との繋がりを駆使できる人こそ、エージェントに頼らない働き方で大きな成功を掴めるでしょう。

すでに発注サイドとのコネクションが十分にある

独立前から発注者側のコネクションが豊富にある人も、エージェントなしで十分やっていけるタイプです。例えば会社員時代に取引先の担当者と信頼関係を築いていたり、業界内で顔が広く「独立したらウチにも手伝いに来てよ」と声をかけられているような人は、最初から直接契約の案件候補が手元にある状態です。こうした人は、エージェント経由で見ず知らずの企業とマッチングする必要性があまりありません。

具体例として、コンサルタントやエンジニアで顧客先常駐していた人が、独立後に同じ顧客と直接契約を結ぶケースがあります。これはいわゆる「卒業後にフリーランスとして戻ってくる」パターンで、発注側からすれば勝手知ったる人材を個別契約で迎えられるため好都合です。他にも、同業者から「案件を手伝ってほしい」と頼まれるパターンや、以前から交流のある経営者仲間から急ぎのプロジェクトを任されるパターンなど、様々なコネクション起点の仕事が考えられます。

コネクションがある人は、相手との直接交渉にも慣れていることが多く、エージェントを挟まない契約手続きもスムーズに進められます。また、継続案件に発展しやすいため、エージェントに案件探しを手伝ってもらわなくとも安定した受注が見込めるでしょう。このような状況であえてエージェントを使ってしまうと、中間マージン分だけ損してしまう可能性が高いですし、何より第三者を入れることでかえって話がややこしくなる恐れもあります。自分と発注者とのダイレクトな関係性がすでに出来上がっている人にとって、エージェントは必ずしも必要ではないのです。

自分のペースで働きたい

自分の裁量で仕事量や働き方を調整したい人も、エージェントを使わない方が向いているケースがあります。エージェント経由の案件はフルタイムや長期コミットが多く、場合によっては常駐勤務や定時稼働など縛りが厳しいことがあります。しかし、フリーランスの中には「週に数日だけ働きたい」「他のプロジェクトと掛け持ちしたい」「まとまった休みを取りながら働きたい」というように、自由なペースで働きたい人もいるでしょう。

そういった場合、エージェント経由の案件だと希望に合うものが極めて少なく、自分のペースを優先するなら直接契約で探すしかないことが多いです。例えば週2〜3日稼働の案件月間◯時間だけのスポット業務など、特殊な条件でも直接クライアントと交渉すれば成立する可能性があります。自分のペースで働けるということは、家族との時間やプライベートな活動との両立もしやすくなるため、ワークライフバランス重視の人にとって重要な要素です。

また、自分の得意な時間帯や環境で働きたいというニーズもあるでしょう。夜型で深夜に作業したいとか、旅先からリモートで仕事したいといった場合も、エージェント案件だと難しいことが多いです。直接契約なら相手と調整して許可をもらえれば実現可能なので、自分のライフスタイルを崩さずに働けます。このように、他人(エージェントやクライアント企業)にスケジュールを管理されたくない人にとって、エージェントを使わない働き方は理想的と言えます。

中間マージンを避けて収益を最大化したい

収入面でシビアに考え、できる限り手取り額を最大化したい人もエージェント非利用に向いています。エージェント利用時には避けられない中間マージンですが、これを「もったいない」「払いたくない」と強く感じるタイプの人は、自力で営業してでも満額報酬を得る道を選ぶ傾向があります。特に高単価の案件になるほど引かれる額も大きくなるため、実力があって高報酬を狙えるフリーランスほど、マージン負担が惜しく感じるものです。

例えば、月100万円の仕事で20万円引かれるとしたら年間240万円です。これを“240万円分多く働かなければならない”と見るか、“240万円払って営業を委託している”と見るかは人それぞれですが、前者の感覚が強い人はエージェントが合わないかもしれません。そのような人は、多少手間でも自分で案件を取ってその240万円も収入にしたいと考えるでしょう。また、中間マージンを取らないエージェント(収益モデルが別になっているサービス)も一部ありますが、そうしたところも自分に合う案件がなければ使う意味がありません。

さらに、自分の努力やスキルアップがダイレクトに収入に結びつくことを重視する人も、エージェント非利用を好む傾向にあります。営業から契約まで一貫して自分で行うと、交渉力や実績次第で次第に単価を上げていけるという醍醐味があります。誰にも手数料を取られず、稼いだ分がそのまま自分の売上となるのはモチベーションアップにもつながります。逆に、エージェント経由だと自分の単価が上がってもマージン率次第で伸び悩むこともあり、頑張りが完全には報われないように感じてしまうかもしれません。ストイックに収益最大化を目指すフリーランスは、エージェントを使わず自力で勝負した方が納得感を持って働けるでしょう。

クライアントと長期的な関係を築きたい

特定のクライアントと長期的かつ密な関係を築いていきたい人も、直接契約が向いている場合があります。エージェント経由だとどうしても契約期間ごとに区切られた付き合いになりがちで、たとえクライアントとの相性が良くても、エージェントの都合で別案件に移ったり更新ができなかったりすることもありえます。しかし、直接取引であれば双方の合意次第で何年でもパートナーシップを継続できます。

特に、顧問的なポジションで企業に関わるフリーランスや、ずっと専属で請け負うプロジェクトを持ちたい人にとって、エージェントは不要な介在者となりえます。直接契約ならではの融通が効き、例えばプロジェクトが変わってもそのまま契約延長したり、新規事業の立ち上げにも継続して参画したりと、関係性を発展させていく余地が広がります。クライアント企業からすると「長く付き合って会社のことを理解してくれているフリーランス」は非常に貴重な存在で、社外パートナーとして信頼され経営層に近い立場を任されることもあります。

このような深い関係を築く過程で、フリーランス側もビジネスの手応えややりがいを大きく感じるでしょう。自分の提案が採用されて事業成長に寄与したり、内部メンバーのように頼られる喜びは、短期案件を転々とする働き方では味わいにくいものです。エージェント経由だとどうしても一つひとつの案件がスポット取引になりがちですが、直接なら「○○さんだからお願いしたい」という人的な信頼に基づくリレーションを育めます。お客様との絆を大事にし、一社一社と腰を据えて向き合いたいというフリーランスは、最初から直接契約を目指す方が理想の形に近づけるでしょう。

フリーランスエージェントを使った方が向いている人の特徴

案件探しや営業が苦手

自分で営業するのがどうにも苦手、案件探しが負担に感じるという人は、フリーランスエージェントを利用した方が向いているタイプです。前述の通り、エージェントを使わない働き方では営業力が求められますが、それがハードルになる人も少なくありません。例えば技術やクリエイティブには自信があるけれど、自分を売り込むのは得意でないとか、人脈が乏しくてそもそも営業の当てがないという場合です。

エージェントであれば、案件の提案や企業とのマッチングを専任のコーディネーターが代行してくれます。自分で走り回って営業しなくても、待っていれば次の案件候補を紹介してもらえる安心感があります。また、営業が苦手だと契約交渉や条件面の詰めにも不安がありますが、エージェントが単価交渉や開始日の調整などもサポートしてくれるため、精神的な負担が軽減されます。

特にフリーランスとしての駆け出し時期は、案件受注のコツもわからず不安でいっぱいになりがちです。そうした時にエージェントを活用することで、プロのアドバイスをもらいながら案件に参画できるメリットがあります。実績が増えて自信がついてからフリーランスエージェントを卒業する、という選択肢もあるでしょう。要するに、営業面でのサポートを受けたい人自分一人では不安な人はエージェントに頼った方がストレスなく働けるのです。無理にエージェント非利用にこだわって案件が途切れてしまうくらいなら、素直にサポートを受けて本業に集中するほうが賢明な場合もあります。

安定した収入を求めている

毎月の収入をできるだけ安定させたい人も、フリーランスエージェントを使った方が向いていると言えます。エージェントの強みの一つは、先述したように継続して案件が紹介されやすく、仕事が途切れにくいことです。営業のプロがバックについてくれるため、「今のプロジェクトが終わったら次がない…」というリスクを軽減できます。特に、生活費のために安定収入が絶対条件という人にとって、この安心感は非常に重要です。

また、エージェントによっては案件ブリッジ期間の補償や福利厚生的なサービスも備えており、ある種会社員に近い安定感を提供してくれます。収入が安定すれば将来の見通しも立てやすく、ローンを組む際なども社会的な信用を得やすい面があります(フリーランス単独では審査が厳しい場合でも、エージェントからの収入証明が有利に働くこともあります)。

反対に、エージェント非利用だとどうしても売上が月ごとに変動しやすくなります。蓄えが潤沢にあったり多少のブランクは気にしないという人なら良いですが、そうでない場合、収入不安は心身の負担になります。家族を養っているとか住宅ローンを抱えているなど収入安定がマストな人は、多少マージンを払ってでもエージェントで安定稼働する方が適しているでしょう。収入の波をなるべく小さくしたい人にとって、エージェントは心強いパートナーとなります。

自分の得意に集中したい

営業や契約処理などの雑務に時間を取られず、自分の得意な本業に集中したい人も、エージェント利用の恩恵が大きいタイプです。フリーランスになると、どうしても営業・事務といった非生産的な作業が発生します。しかしエージェントを使えば、案件候補のピックアップから契約処理、場合によっては請求・入金確認まで周辺業務を任せることができます。

その結果、自分は実際の開発や制作、コンサルティング業務に専念できるため、スキルアップや成果創出に腰を据えて取り組めるメリットがあります。例えばクリエイター気質で営業がストレスという場合、エージェント利用によってメンタル的にも安定し、本来のクリエイティブな仕事に全力投球できるようになります。フリーランスとして成果を出すには自己研鑽も不可欠ですが、営業に追われてスキル磨きの時間が取れないという事態は避けたいところです。その点、エージェントが案件を繋いでくれる間に自身の強みをさらに伸ばすことができれば、将来的な単価アップにもつながります。

また、本業に集中することでクオリティの高い仕事ができれば、クライアントからの評価も上がり、エージェント経由でもより良い条件の案件を紹介されやすくなる好循環が生まれます。いわば、エージェントをうまく使って自分の専門にフォーカスする戦略です。営業や事務作業で消耗すると本末転倒なので、好きな仕事に専念したい人こそエージェントを活用する価値があるでしょう。

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フリーランス初心者で実績が少ない

フリーランスとして駆け出しで、まだ実績が十分でない人は、最初はエージェントに頼った方が得策な場合が多いです。実績やポートフォリオが乏しい段階では、直接営業してもクライアントからなかなか信用を得にくく、門前払いになってしまうことがしばしばです。しかしエージェントに登録すると、経歴やスキルを踏まえて条件に合う案件にマッチングしてもらえるため、直営業よりも案件獲得のハードルが下がります。

また、エージェントの担当者はフリーランス初心者へのアドバイスやノウハウ提供も行ってくれることがあります。例えば、面談でうまく自分をPRする方法や、スキルシートの書き方改善などを教えてもらえる場合もあります。さらに、実績が少ないフリーランスに案件を発注することに不安がある企業も、エージェントのお墨付きがあることで一定の安心感を持って受け入れやすくなる側面もあります。

実際、フリーランスエージェントの多くは「実務経験◯年以上」といった利用条件を設けていますが、それを満たしていれば実績が浅くてもチャレンジの機会を提供してくれる社もあります。エージェント経由でふたを開けてみたら自分にピッタリの案件だった、ということもあるでしょう。まずはそこで実績を積み信用を得てから徐々に直接取引に移行するというステップも取れます。

要するに、ゼロから直接案件を取るのが難しい人は、エージェントを足がかりにするのがおすすめです。経験が少ないうちは借りられる力は借りて、まずは実績と自信をつけることが将来的な飛躍につながります。

契約や支払いのトラブルを避けたい

契約周りのトラブルや報酬未払いなどのリスクを極力避けたい人も、エージェント利用が向いています。エージェントは契約プロセスを適切に管理し、トラブル時にも仲介役となってくれるため、直接契約の不安要素をかなり軽減してくれます。例えば、エージェント経由の契約では通常きちんと書面が取り交わされ、報酬支払いもエージェント経由で行われるため、支払い遅延・未払いの心配がほとんどありません。仮にクライアント側が滞った場合でも、エージェントが立て替え払いしてくれることもあり、フリーランスにとって安心材料となります。

また、クライアントとのコミュニケーションで万一トラブルが起きた際も、担当エージェントが間に入って調整・仲裁してくれることがあります。直接自分で言いにくいことも、エージェント経由なら柔らかく伝えてもらえるという利点もあります。特に内向的な人や対人ストレスを抱えやすい人にとって、エージェントが盾や潤滑油になってくれるメリットは大きいでしょう。

契約書のリーガルチェックや、業務範囲の明確化など煩雑な作業も代行してもらえるため、法務リテラシーに自信がない人にも適しています。「自分で契約を取り仕切るのは不安」という場合、エージェントを通せば基本的にフォーマットに沿って進むので安心です。要するに、安心・安全にフリーランス活動がしたい人は、エージェントの仕組みを利用することでリスクヘッジになると言えます。

フリーランスエージェントを使わない場合の注意点

初心者はまずエージェント経由で経験を積むのも有効

フリーランスエージェントを使わない道を選ぶ場合でも、特に初心者のうちはエージェントを活用して経験を積むことも検討すべきです。完全独立独歩で進めたい気持ちは理解できますが、前述のように実績やノウハウがないと無理をして失敗するリスクがあります。最初の数件はエージェント経由で実績を作り、その後エージェントを離れるという柔軟な戦略も取れます。

例えば、エージェント経由案件でプロジェクトの進め方やクライアント対応のコツを掴んだり、名のある企業の実績を積んでポートフォリオを充実させたりすると、その後の直接営業が格段にしやすくなります。エージェントでの経験はトレーニング期間と割り切り、マージン分は「営業研修代」と考えることもできます。

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引き抜きや契約違反行為に注意

エージェントを使わずに仕事を得る際、エージェント経由の案件から直接契約に移行する「引き抜き行為」や、他の契約違反に該当する行為には十分注意が必要です。具体的には、エージェント経由で知り合ったクライアントと、エージェントを経由せず直接契約を結ぶことは、多くのエージェントの契約約款で禁止されています。これを破ってしまうと、エージェント側から違約金請求を受けたり今後の利用を停止されたりするリスクがあります。

「せっかく関係ができたから直接契約したい」と思っても、まずは契約上問題ないかを冷静に確認しましょう。エージェントによっては、終了後◯年間は直接契約禁止などの規定があったりします。クライアント側から「直接やり取りしませんか?」と持ちかけられる場合もありますが、その際も自分が契約上負うリスクをしっかり説明し、どうするか慎重に判断してください。安易に応じると、トラブルに巻き込まれる可能性があります。

また、会社員を辞めてすぐフリーランスになる際には、前の職場との競業避止義務副業禁止規定などにも注意が必要です。場合によっては、前職の顧客と直接取引すると規定違反になることもあります。フリーランスになったからといって何でも自由というわけではなく、関係各所との契約上の義務は引き続き守らなければなりません。エージェントを使わない働き方を志向するなら、自身に課せられた契約上の制約をきちんと把握し、それを踏まえた行動を心がけましょう。

案件の相場を理解して価格交渉する

エージェントなしで直接案件を受注する際は、市場相場の理解に基づいて適切に価格交渉を行うことが大切です。エージェント経由だとある程度相場に沿った提示がなされますが、直接だとフリーランス側・クライアント側とも相場観が曖昧なまま話が進み、不適切な安値受注や、高すぎて断られるといったミスマッチが起きやすくなります。

そのため、事前に自分のスキル・職種の市場単価を調べておきましょう。エージェント各社の公開案件情報やフリーランス白書などに平均単価データが載っている場合があります。また、知り合いのフリーランスに率直に相場を聞いてみるのも良いでしょう。相場を知った上で、自分の経験値や案件の難易度に応じた金額をプラスマイナスして見積もりを出すと、説得力が増します。

交渉の際には、単に金額を伝えるだけでなくその根拠や比較情報も簡潔に添えると良いです。「同様の案件では通常◯◯万円前後が相場ですが、今回はスキルフィット度が高いので△△万円で提案します」など、納得感のある説明があるとクライアントも受け入れやすくなります。逆に、相場を無視して安請け合いすると、安売りのフリーランスという印象がついてしまい、後々単価を上げにくくなります。

もちろん、案件によってはあえて割安に提案して受注する戦略もあるでしょうが、その場合もなぜ安くするのか(実績を積みたい、新技術を試したい等)を自分で整理しておくべきです。最終的にはお互い納得できる価格で契約することが長続きの秘訣なので、正しい相場観を持ち、妥協すべき点と譲れない点を見極めて交渉に臨むことが重要です。

トラブル発生時の対応を自分で準備しておく

エージェント非利用で活動するフリーランスは、万一トラブルが発生した際に自分自身で対処できるよう準備しておくことが欠かせません。エージェント経由ならトラブル発生時に相談したり間に入ってもらえますが、直接契約では全て自分で解決しなければなりません。そのため、起こりうるトラブルとその対処法をあらかじめシミュレーションしておくことが大切です。

例えば、報酬の支払いが滞った場合に備えて、支払い期限を過ぎたらまず何日後に催促メールを送り、それでもダメなら内容証明郵便を送る…等、一連の対応フローを決めておくと慌てずに済みます。最終的に法的措置も視野に入れるなら、小額訴訟の手続き方法弁護士費用の概算なども調べておきましょう(フリーランス協会のようにトラブル時の相談サービスを提供している団体に加入するのも安心材料になります)。

また、納品物に関する認識違いで揉めた場合に備えて、契約書や仕様書に可能な限り詳細を明記したり、メールなどで記録を残す習慣をつけることも防衛策です。トラブルが起きた時はまず冷静に契約内容を確認し、双方の言い分を整理することが肝心ですが、その情報が曖昧だと解決が難航します。日頃から記録をきちんと残すことで、自分を守る証拠を蓄積しておきましょう。

さらに、信頼できる専門家の連絡先を持っておくのもおすすめです。顧問弁護士や税理士とまではいかなくても、いざという時相談できる知り合いの士業がいると心強いです。最近はオンラインでの法律相談サービスもあるので活用すると良いでしょう。エージェントがいない分「自分が会社の法務部・経理部」として立ち振る舞う覚悟を持ち、事前の備えを十分にしておくことで、万一のトラブルにも落ち着いて対応できるはずです。

フリーランスエージェントを使わない人がやりがちな失敗例

案件が途切れてしまう

フリーランスエージェントを使わずに活動する人にありがちな失敗の一つが、案件と案件の間にブランクができて収入が途切れてしまうことです。自力で案件を取っていると、どうしても現在進行中の仕事に集中するあまり次の案件の営業がおろそかになりがちです。その結果、今の仕事が終わってから慌てて次を探し始めるものの、すぐに見つからず数週間〜数ヶ月無収入…という事態が発生します。

例えば、3ヶ月のプロジェクトに専念している間、一切営業活動をしなかったために、終了後に「さて次はどうしよう」となってしまうパターンです。エージェントなら並行して次の案件を紹介してくれますが、独りだとそうはいきません。この失敗を防ぐには、案件稼働中でも定期的に営業・情報収集を行う習慣が必要です。理想的には、現在の案件が終わる1〜2ヶ月前には次の案件のあたりを付け、クライアントと打診を開始しておくと良いでしょう。

また、複数の案件を並行して抱えておくのも一つの戦略です。一つが終わっても他の仕事が残っていれば収入ゼロにはなりません。ただしキャパシティを超える受注は納期遅延など別の失敗に繋がるので、自分の許容範囲内でバランスを取ることが大事です。案件管理の甘さはフリーランスの死活問題なので、カレンダー等で見通しを立て、途切れのないパイプラインを意識して構築するようにしましょう。

クライアント管理が甘く信頼を失う

エージェントを使わない人が陥りがちな失敗として、複数クライアントとの関係管理が甘く、信頼を損ねてしまうことも挙げられます。案件が増えてくると、自分で全てのクライアントの対応スケジュールや進捗を管理しなければなりませんが、ここにミスが生じると納期遅延報告漏れなどにつながり、信頼関係にヒビが入ります。

例えば、「A社とB社の納品日が重なってしまって両方に迷惑をかけた」「忙しさに紛れてC社への返信を何日も放置してしまった」といったケースです。エージェントがいればリマインドしてくれたり間を取り持ってくれたりする場面でも、直接契約では自分の管理ミスがダイレクトに響きます。結果、「〇〇さんはレスポンスが遅い」「予定通りに進めてくれない」と評価が下がり、以降の依頼が来なくなってしまう恐れがあります。

これを防ぐには、徹底したタスク管理とコミュニケーションが鍵です。納期や打ち合わせ予定はカレンダーやツールで厳重に管理し、余裕を持ったスケジューリングを心がけましょう。何らかの事情で遅れそうな場合も、早め早めにクライアントへ連絡して調整を図ることが大事です。また、メールやチャットの返信についても、即答できなくても一旦受領連絡を入れるなどして、相手を不安にさせない配慮が必要です。

要するに、自己管理能力が問われるということです。フリーランスは一人で複数社の顧客対応をこなす「ミニ企業」のようなものですから、信頼を失う行為は命取りです。技術力や成果物の質だけでなく、ビジネスパーソンとしての信頼感(レスの速さ、約束の厳守など)も維持できるよう、気を抜かず自己を律していく必要があります。

契約条件を曖昧にしてトラブルになる

フリーランスエージェント非利用の失敗例としてよく聞かれるのが、契約条件を詰め切らず曖昧なまま仕事を始めてしまい、後でトラブルになるケースです。例えば、「追加作業の有償・無償の取り決めをしておらず、想定以上の修正依頼が来て揉めた」「納品物の範囲を明確にせずに進めた結果、出来上がりに対する認識違いで対立した」といったことが起こりがちです。

原因は、契約時にお金や責任の話を遠慮して詰めなかったことにあります。エージェントがいればそのあたりを標準契約書でカバーしてくれますが、直接だと自分から言い出しにくいこともあるでしょう。しかし、最初に曖昧にしたことは必ず後で問題になります。フリーランス初心者ほどこのミスをしがちで、「こんなこと言ったら契約が流れるのでは…」と心配し、結果自分が損をする羽目になります。

対策として、契約前に不明点は全て言語化して合意しておくことが欠かせません。追加対応は何回まで料金内か、範囲外の要望が出たら都度見積もりなのか、納品後の不具合対応期間はどの程度か、万一途中で辞退/解除する場合の条件はどうするか…など、考えうるシナリオを洗い出しておきましょう。そしてそれを契約書またはメールで明示し、両者の認識が合っていることを確認してから仕事を始めるべきです。

また、小さな仕事でも契約書または準ずる同意は交わすべきです。口約束やチャットだけで進めるのは避け、必ず書面や電子契約で残すことで、後の証拠にもなります。最初に多少面倒でも細部まで決めておくことが、トラブル防止の何よりの薬です。曖昧さを残さない勇気がフリーランスには求められます。

単価交渉が苦手で安く働いてしまう

エージェントを使わないフリーランスが陥りやすい失敗に、適正より安い単価で受注してしまい、結果的に低収入・過剰労働に陥るというものがあります。自分で値付けや交渉をするプレッシャーから、つい強く言えずに言い値で受けてしまったり、安請け合いしてしまう場合です。その場では仕事が取れてホッとするかもしれませんが、後になって「割に合わない…」と後悔する典型です。

例えば、本当は月50万円分の作業量なのに40万円でOKしてしまったとか、追加作業分もサービスで引き受けてしまった等です。これでは労働時間の割に収入が低くなり、モチベーションも下がりますし、他のチャンスを逃すことにもなります。エージェントがいれば適正価格で契約してくれたのに、自分の交渉ベタで損をするのは残念なパターンです。

この失敗を防ぐには、先述のように相場観をもとに自信を持って見積もり提示することと、Noと言う勇気が必要です。「この金額では難しいです」と断れる強さがなければ、安く買い叩かれてしまいます。もし交渉自体が苦手なら、メールで金額提示して相手の返答を待つなど、直接対面で言いにくければ文章で伝える方法もあります。あるいは、値下げ要求に対して何らかの条件付きで応じるなど工夫もできます(例:「その代わり作業範囲を絞りましょう」など)。

重要なのは、自分の仕事の価値を低く見積もらないことです。一度安値を受けてしまうと次回以降もその価格基準で見られてしまい、単価を上げるのが困難になります。長期的な収益を考えると、最初が肝心です。多少勇気が要りますが、適正以上に安い話は断る勇気を持ちましょう。それで流れてしまう仕事はもともと縁がなかったくらいに考えるのも大切です。自分を安売りしすぎないことが、心身の健康とビジネスの持続性につながるのです。

よくある質問(FAQ)

フリーランスエージェントのデメリットは?

フリーランスエージェントの主なデメリットとしては、まず中間マージン(仲介手数料)が発生する点が挙げられます。エージェント経由で契約するとクライアントの支払い額から一定割合が差し引かれるため、手取り報酬が直接契約より少なくなるのが一般的です。また、案件や働き方の自由度が制限される場合もあります。エージェントが扱うのはフルタイム常駐案件が多かったりするため、「週2日だけ働きたい」「短期スポットで入りたい」といった柔軟な希望が通りにくい傾向です。

さらに、クライアントと直接やりとりできる範囲が限定されることもデメリットの一つです。エージェントが間に入ることで、意思疎通にタイムラグが生じたり、自分の交渉したいことを直接言えない場合があります。契約条件の決定や調整をすべてエージェント経由で行うため、ある意味「お任せ」になってしまい、自分のビジネス感覚が養われにくいという側面もあります。加えて、一部のエージェントでは案件終了後一定期間の直接取引禁止などの契約上の制約があり、自由に動けない場合があります。

要するに、フリーランスエージェントの利用は手数料コスト自由度の低下を引き換えに安心感や営業サポートを得る形です。そのため、「マージンを払ってでも営業代行してほしいか」「自由より安定を取るか」といった価値観によって、デメリットをどう感じるかは人それぞれと言えます。

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フリーランスの辞める率はどれくらい?

フリーランスがどの程度の割合で廃業・離脱していくかについては、統計データから見るとかなり高い割合であることがわかっています。一つの参考として、中小企業庁のデータをもとに算出された平均廃業率によれば、フリーランスの1年目の廃業率は約37.7%とされています 。つまり、独立して1年以内に約4割近くの人がフリーランスを辞めてしまう計算です。

その後の推移も、2年目で24%程度、3年目で20%程度と、高い離脱率が続きます 。徐々に廃業率は下がっていき、10年目では年あたり13%程度になりますが 、裏を返せば10年後まで生き残るフリーランスは全体の一部ということになります。感覚的にも、フリーランスという働き方は常に一定数の人が会社員等に戻ったり廃業したりし、新陳代謝を繰り返している状態です。

ただし近年はフリーランス人口自体が増えているため、過去データよりは定着率が上がっている可能性もあります。また、副業フリーランスのように辞める・続けるの境界が曖昧なケースも増えています。ですので一概には言えませんが、比較的リスクの高い働き方であることは確かです。成功する人もいれば思うようにいかず離脱する人も少なくないので、独立する際は現実的なリスク管理と準備が重要だと言えるでしょう。

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フリーランスの10年生存率は?

フリーランスとして10年間継続できる人の割合(10年生存率)は非常に低く、概ね1割強程度とされています。先に触れた廃業率データを裏返すと、厳密な数値は状況によって変わりますが、10年後までフリーランスを続けている人は全体の10〜15%程度と推計できます 。つまり、10人独立して1人残るかどうかというレベルの厳しさです。

特に初年度〜数年間で多くの人が離脱していき、その後生き残った人たちは徐々に安定していく傾向があります。しかしそれでも、5年10年続けられる人はかなり選ばれた存在と言えるでしょう。理由としては、フリーランスという働き方自体が時代の変化や景気の波を受けやすく、案件が途切れたり収入が伸び悩んだりする中で、メンタル的・経済的に続かなくなるケースが多いからです。また、会社員の求人ニーズが高まれば「やっぱり正社員に戻ろう」という人も出てきます。

ただし、一度フリーランスを辞めてもまた再チャレンジする人もいますし、節目節目で形態を変えながら最終的に10年やっている方もいるので、一概に成功/失敗は測れません。あくまで統計的な生存率としては低めですが、逆に言えばそのくらい厳しい世界だと認識して備えることが重要です。長く生き残るには、スキルアップと自己管理、マーケット適応を絶えず行い、信頼を蓄積していくことが不可欠でしょう。10年続ければ一人前とも言われますが、そのハードルは決して低くないのが実情です。

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